PBW『シルバーレイン』のキャラクター、黒霧兄妹・黒霧凛・来栖裕也&背後の雑記。
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初めて汚れた手 2
同タイトルの続き。長くなったので途中で切ったけどぶっちゃけ続き全く考えてな(ry
あ、内容も大した考えて書いてn(ry

ええ、いつも通りです。

一応シリアス・暗めにと書いた内容ですので注意を。


「……何で」

 抵抗ナシ。反応ナシ。
 ただ、藍色の感情の希薄な目が静かに俺を見据える。
 痛覚がないのだろうか、と再度体内に突き入れてグルリと時計周りに半回転。
 僅かに眉と目尻が動いた。ああ、痛みはちゃんとあるのかぼんやりと思う。
 何度も何度も抜き差しを繰り返せば、ああ、手が真っ赤。

「弟のことを頼む、と言われたから」

 それだけ。ただ一言だけ言って、また口をつぐむ。
 軽く咳き込めば、ぱたぱたとフローリングに血が散る。……カーペットじゃなくて良かった。後片付けが楽だ。

「……馬鹿だろ」

 頼む、って言われたから色々とあってカワイソウな弟の気が済むまで大人しく刺されてあげるって?
 そんな奴いるのかよ。……今目の前にいるけど。

「頼まれたから」
「兄を失った弟へのフォローのつもり?」
「……否定はしない」
「…………兄貴の仇、って殺そうとしても黙ってるのか?」

 何となく目標を変え、首の辺り目がけて振り下ろす。
 ――が、途中で刃が消えた。
 どうやら折られでもしたか。おいおい、相当の深手のはずなのに動きに全く翳りがないって何なんだ。
 寸止めのつもりではいたけれど、ああ抵抗するんだな。ちゃんと抵抗は出来るんだ。

「……さすがに、まだ死ぬ気はないってコト?」
「…………まだ、譲れない」
「……いつか、命譲ってくれんの? 殺させてくれんの?」
「…………いずれは」

 いつなんだ。
 近くはない。遠い。ずっと遠い。きっとそうだろう。
 だけど、きっと。その時は、やがて。必ず、来るのだろう。
 頼む、と言われた。言われたから。だから。だから?
 馬鹿だ、コイツ。
 俺も不器用な方だろうけど。コイツはもっともっと酷い。自らを犠牲にすれば済む、なんてそんな単純な話ならどんなに良かったか。

 ……違うな。単純な話だ。
 そもそも俺がコイツを刺すのがおかしい。

 俺がおかしいんだ。

 鈍い音。手から刃を失った凶器が床に滑り落ちた音。
 ああ、赤だらけ。
 手。床。刃。服。顔。紅(あか)の鮮血。紅ばっかりだ。懐かしいな。部屋は違うけど、あの時も紅だらけだった。
 違うのは。
 全て、俺の血じゃないこと。

 どうして、こうしたんだろう。
 どうして、刺そうと思ったんだろう。
 どうして、刺してしまったんだろう。

 助けてくれた。彼が来なければ、きっと俺はあのまま実験なり喰われるなりで死んでいた。
 言うなれば『命の恩人』

 それなのに――。
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